見込顧客フォロー(見込顧客の維持と育成)

展示会出展によって期待以上の資料請求者を獲得できたとしても、それはまだ最終目的の達成ではないのです。資料請求者は見込顧客であり、貴社に 1 円の売上もあげさせてはくれません。展示会出展によって獲得した資料請求者の中から新規顧客を獲得し売上をあげるためには、展示会終了後の営業活動(見込顧客フォロー)がどうしても必要になります。


展示会終了後からの見込顧客フォローというと、営業マンによるアポイント電話営業を想像される方が多いと思います。展示会場において名刺交換をして後日のアポイントを約束した一部の来場者は、具体的なニーズを持つ質の高い来場者・有望見込顧客です。質の高い有望見込顧客は、展示会終了後短期間に営業案件となる可能性の高い見込顧客です。当然営業担当者から最優先でアプローチをします。しかし、展示会において獲得した資料請求者・見込顧客の大多数は、展示会の時点では具体的なニーズのない情報収集目的の資料請求者なのです。会場で資料請求をしたからといって、すぐに営業マンの訪問を希望する資料請求者はほとんどいません。展示会終了後短期間に営業案件化できる質の高い有望見込顧客が十分に確保できるのであれば、資料請求の時点でニーズのない見込顧客へフォローアップはそれほど重要とは思えないかもしれません。

 

しかし大多数のニーズのない見込顧客は、貴社が貴重な出展予算と時間と労力を使って潜在顧客の中から獲得した見込顧客なのです。この見込顧客を 1 人獲得するために、展示会出展社は平均 1 万円以上のコストをかけているのです。大多数のニーズの無い見込顧客は、近い将来貴社の顧客となる可能性を持つ貴重な見込顧客リスト・営業資産です。営業担当は「使えないリスト」と思うかもしれませんが、実は「宝の山」かもしれないのです。まして、展示会の効果に不満を感じているのなら、営業案件化できる質の高い来場者が少ないとお考えなら、資料請求の時点でニーズのない見込顧客へのフォローアップが重要になります。


ただ展示会で獲得した資料請求者すべてを対象として、成長期・右肩上がりの時代に適した昔ながらの営業マンによる営業攻勢をかけても、成熟期の顧客企業にはもうそのやり方は通用しないのです。今までと同じやり方を続けることにより、営業マンは効率の悪いアポイント電話営業に疲弊しモチベーションまで下がります。営業資源の限られた中小企業さまの場合、事態はさらに深刻になるでしょう。右肩上がりの時代に通用した営業マンによる狩猟型の営業手法(プッシュ型営業)が通用しなくなっているのです。顧客企業は設備投資に慎重となり、必要最低限の投資で最大の効果を求めています。製品導入のリスクを回避するためにできる限り情報を収集して判断しようとします。しかし、同じ時期にインターネットという便利な情報収集手段を手に入れた現在の企業担当者は、ニーズのない段階では情報収集手段としての「営業マンからの説明」は不要なのです。忙しい中時間を割いてはくれないのです。具体的なニーズのない段階においては、営業マンによる情報提供はインターネットによる情報収集に完全に取って代わられてしまったのです。

日本のすべての企業は、集客と販売において今までのやり方(成長期に適したやり方・インターネットがなかった時代の情報提供)が通用しなくなっているのです。しかし、多くの企業は成長期の成功体験の印象が強く、未だ成長期の手法から離れられません。これからの時代、企業が継続して発展していくためにはその大きな変化に対応していかなければならないのです。


これからの時代は、より多く種を蒔いて、より多く収穫する農耕型の営業手法(プル型営業)に転換する必要があるのです。展示会は、出展社にとってより多くの種を蒔く重要な機会です。そして獲得した資料請求者(見込顧客)に対しては、決してあわてずに継続して情報を提供し、貴社のことを忘れさせない、記憶を復習してもらって覚えてもらう、さらに貴社及び貴社製品への理解を深め、好意を獲得し囲い込むのです。そして見込顧客企業においてニーズが発生した(顕在化した)時点で、貴社に真っ先に相談をしてもらうように、あせらずに見込顧客という営業資産を維持していく、育成していくことが重要になってきているのです。


日本の B to B 関連展示会で獲得した見込顧客に対しては、「適切でソフトなアプローチ」が必要なのです。見込顧客として維持してコミュニケーションを図り、有望見込顧客へと育成するステップが必要なのです。「B to B 企業の新規顧客獲得プロセス」において、最も難しいのがこのステップなのです。見込顧客企業で貴社製品による問題解決がいつ必要になるのか(ニーズの顕在化)が分からないからです。ですから、展示会で獲得した見込顧客を維持しなければならないのです。このステップが欠けてしまうと展示会の出展が営業案件化・新規顧客獲得・売上につながらず、例え展示会がキッカケで新規顧客を獲得できたとしても、それが展示会出展の効果であることさえわからないのです。


展示会の時点で具体的なニーズのない情報収集目的の資料請求者に対しては、彼らが望む、そして貴社にとっても効率的で効果的な方法でフォローアップする必要があります。営業マンによる訪問の必要を感じない彼らには、彼らのニーズ(情報収集というニーズ)を適切に満たすソフトなアプローチとフォローアップが必要なのです。具体的には、彼らが日常利用している情報収集ツールを利用します。インターネット(ホームページと電子メール)です。ダイレクトメール・情報誌の発送という手段も選択肢として考えられますが、ターゲットがインターネット利用率の極めて低い業種・職種であるような場合を除き、その制作費・印刷費・発送費を考えると現実的ではありません。

 

見込顧客フォローの効率化


ホームページ・電子メールを見込顧客フォローに活用して効率化するためには、見込顧客リストのデータ化がどうしても必要になります。展示会終了後、展示会で獲得した資料請求者名刺情報をデータベースとして整備します。ただ単にデータ化すればいいのではありません。従来の見込顧客データベースと名寄せをして、重複するリストは最新の情報に書き換える必要がありますし、競合企業など営業対象外のリストは削除します。今まで、見込顧客リストをデータ化していないあるいは整備されていない場合は、営業リスト・見込顧客リストとして機能するデータとして整備する必要があります。営業マンの机の引き出しの奥に、貴重な営業資産である見込顧客リスト(過去の営業先企業担当者の名刺など)が眠ったままになっているかもしれません。


そして、営業マンがアポイントを取れない見込顧客に対しては、「ホームページ・電子メール」というツールを活用してソフトにアプローチし、プロモーションとして継続して情報を提供します。貴社の記憶の復習をしてもらうことが顧客に貴社を覚えてもらう重要な手段です。定期的にもしくは継続的にコンタクトを図って貴社のことを忘れさせない、覚えてもらう、そして見込顧客にとって役に立つ情報を継続的に提供することにより見込顧客・営業資産として維持するのです。さらにオファーによってコミュニケーションを構築します。


同時に、営業担当は展示会場でアポイントを約束した資料請求者、あるいは展示会場で名刺交換した優先順位の高い資料請求者に絞ってフォローアップを行います。しかし、その中でも具体的な導入予定がなく、長期にわたるフォローアップが必要になる見込顧客に対しては、ホームページによる情報提供とメールによる情報提供登録を案内してフォローします。

 

見込顧客フォローを開始する


平成 20 年 12 月の「特定電子メール法」改正以前は、展示会出展後多数の出展社がブースへの来場に対する御礼メールを送っていました。当然、配信停止されない限りそれ以降もメール配信を続けるのです。しかし「特定電子メール法」改正により、純粋な「来場御礼」メール以外のメール送信、自社の宣伝・販促目的の内容を含むメールの送信は法規制の対象となります(展示会場で「名刺」をいただいた場合は例外として特定電子メールの送信が認められます)。ブースを訪問いただき資料をお渡しして来場者登録データをいただいた来場者でさえ、メール送信の同意なくメールを送信できるのは「同意確認をするための電子メールの送信」たった 1 回に限られるのです。展示会場で「名刺」をいただけなかった新規見込顧客には、この 1 回のメール送信で、それ以降のメール配信に対する同意をいただかなければならないのです。とても現実的ではありません。もちろん展示会場で同意書にサインをしていただくことも現実的ではありません。


ここでもう一度、日本の B to B 関連展示会・及び来場者の特性を思い出して下さい。来場者はなにしろ短い時間内に資料を集めてまわります。多い来場者で、40〜50 社もの出展社に名刺情報を渡すのです。そして展示会終了後 1 週間くらいに、その 40〜50 社から一斉に来場御礼メールが届きます。しかし大多数の来場者は情報収集の手段として展示会を利用し、情報として出展社の資料を請求したのであって、具体的なニーズがあるわけではないのです。

そんなニーズのない来場者は、全く期待もしていない、ただ情報収集として資料請求した出展企業からの御礼メールをかえって迷惑だと思うでしょう。ほぼすべての御礼メールはそのまま開封されることなく削除されてしまいます。場合によっては、御礼メールで配信停止をくらってしまうのです。最初のアプローチで配信停止をくらえば、この見込顧客にコミュニケーションを働きかける貴重な手段を失ってしまうのです。この 1 人の見込顧客を獲得するために平均 1 万数千円というコストを使い、さらにあわてて名刺情報をデータ化し、意味のない御礼メールを配信する手間とコストをかけ、たった 1 回の「最初のアプローチ機会」をみすみすつぶしてしまうのです。


では、展示会で獲得した見込顧客に対して継続的な情報提供メール配信を受け入れていただくためにどうするべきなのでしょうか。メールによる同意確認は避けるべきだと考えます。たまたまタイミングが悪ければ、実は有望な見込顧客であったとしても、そのメールが開封されることなく捨てられてしまう可能性があるのです。

ですから、継続的な情報提供を開始する・あるいは実施している旨を案内するためのリーフレットを制作してお送りします。「効果の高いダイレクトメール」をここでも活用するのです。どういう情報を提供しているのかを案内し、貴社製品の PR だけではなく見込顧客にとって役に立つ、参考になる情報を提供することを理解していただきます。コストは掛かりますがターゲットにリーチする確率は間違いなく高いのです。展示会出展の最終目的は、新規顧客の獲得・売上アップです。そのためには見込顧客をより多く獲得し、そして維持・育成しなければなりません。そのためにはメール配信による情報提供・コミュニケーション構築が必要なのです。

いくら展示会ブースの装飾に予算をかけても、ここで「メール配信に対する同意」を獲得できなければ、継続的な情報提供を受け入れていただくことができなければ、それまでの努力・使った予算が無駄になってしまいます。「特定電子メール法」改正により、「メール配信に対する同意の獲得」の重要性がはっきりと浮き彫りになった、メール送信を受け入れてもらえることができてはじめて見込顧客・セールスリードの獲得となったと言っていいと思います。ですから、ここで費用を惜しむことなくより効果の望める方法を選択するべきです。

展示会出展予算の適切な配分が変わり、限られた予算の中で「ブース装飾予算」の優先順位が相対的に下がったのです。

 

改正「特定電子メール法」については、こちらをご覧下さい。

 

有望見込顧客を育成・抽出する


情報提供によって展示会来場者を見込顧客として維持することに成功したら、さらに「戦略的な情報」の提供によって見込顧客を有望見込顧客へと育成します。「有望見込顧客へ育成する」とは、「貴社及び貴社製品への理解促進・競合製品との差別化・貴社に対する好意の獲得」による見込顧客の囲い込み・貴社へのファン化を意味します。定期的な情報の発信とオファーによるコミュニケーションを図り、見込顧客企業においてニーズが顕在化したタイミングを逃さず見つけ出し(有望見込顧客として抽出し)、その有望見込顧客に対して営業担当がリアルな営業活動を展開しクロージングします。


簡単にいうと、展示会で獲得した資料請求者の中から有望見込顧客を育成・抽出して営業担当へ渡してあげる のです。このプロセスが欠けているために、多くの  B to B 企業の マーケティング担当者は、営業部門から役に立たないリストを集めるために無駄な予算を使っていると思われてしまうのです。なぜなら、営業担当は短期間で売上になる案件にしか興味が無いからです。ですから展示会終了後、営業マンに資料請求者リストにかたっぱしからアポイント電話をかけさせるのではなく、営業マンは展示会場でアポイントを約束した来場者や優先順位の高い資料請求者に絞ってフォローアップを行うべきなのです。それ以外の大多数の資料請求者は、営業担当が直接商品説明に来てくれることを望んでいないのです。展示会場では情報として貴社製品のパンフレットを請求しましたが、現時点でニーズがあるわけではないのです。ニーズが無いところに営業をかけても無駄になるばかりか逆効果です。彼らには情報提供というソフトなアプローチが最適であり彼らもそれを望んでいるのです。


展示会をはじめとする広告・セールスプロモーションの効果測定・検証が重要視されてきていますが、本当の効果を測定するのであれば獲得した名刺情報件数や CPL (Cost per Lead:名刺 1 枚の獲得単価)だけではなく、実際に営業案件となった件数を把握する必要があります。つまり、営業担当に渡した有望見込顧客の件数です。今まで、展示会が売上に貢献しているのかいないのかさっぱり見えなかったのは、集客と営業案件化の間がまるで見えていなかったからなのです。見えていたのは展示会直後にアポイントがとれて営業案件化できた一部の有望見込顧客だけです。展示会後に実施すべき情報提供を中心としたプロモーションは、集客から営業案件化までを見えるようにすることが目的のひとつなのです。


そのためには見込顧客データベースの整備が欠かせません。どの展示会で見込顧客となって、その後貴社とどういうコンタクトを経て有望見込顧客となり、実際の営業案件となったかというところまで把握することが必要です。大変なことと思われるかもしれませんが、展示会やセミナーなど見込顧客とのコンタクト機会のたびに、見込顧客データベースを整備していけばいいのです。もちろん社内での作業が負担になるのであれば、外部専門協力企業にアウトソースすればいいのです。見込顧客を維持・管理していくことで、正確な効果測定・効果検証が可能となり、展示会を中心としたプロモーションに反映させていくことができるのです。

 

クロージングする


営業担当は、情報提供を中心としたプロモーションにより、展示会後のニーズのない資料請求者へのフォローアップという無駄なアポイント取りの作業から開放されます。そして、ニーズの顕在化により貴社製品・技術に関心を持ち、あるいは具体的に導入を検討し始めた、アポイントの取れる確率、成約の可能性の高いお客様、さらに貴社製品・技術をすでに理解し、貴社に好意を持つお客様を相手に商談ではなく相談レベルの営業活動に集中することができます。営業活動が効率化し、営業マンもさらに自信を持つようになります。当然、売上も上がって社内全体のモチベーションもさらに高まります。


そして、営業担当から邪魔者扱いされてきたマーケティング部門も売上への貢献が見えるようになったことで、モチベーションも上がり、予算・人員も確保できるようになります。そういうサイクルを作り上げることが、情報提供を中心として見込顧客フォロー段階に実施すべきプロモーションなのです。

 

見込顧客フォロー まとめ


情報提供による見込顧客フォローとは、企業として見込顧客・市場とコミュニケーションをとることです。今まで情報発信をしていなかった企業さまの場合はその体制を整える必要があります。マーケティング・販売促進担当部門のリソースが不足しているのなら、外部協力企業を有効に活用しましょう。マーケティング・販売促進担当部門を持たない企業さまの場合は、外部協力企業を活用することがどうしても必要になります。


ただし、見込顧客が知りたいと思う情報、興味を持つ情報は顧客と接する営業部門・同じ技術者である開発・技術部門にあります。コミュニケーションの主体はあくまでも貴社ですので、貴社が見込顧客へ発信すべき情報のテーマ・メッセージを決めなければなりません。情報発信ツールとなるホームページは、いわば貴社が発行する情報誌です。メディアですので、読んでいただくための戦略が必要であり、コンテンツの精度も求められます。貴社担当者さまは編集長として外部専門企業を有効に使い、編集部員としてコントロールして効率的な情報発信体制をつくり、効果的な情報を発信しなければなりません。

 

  1. 出展準備とブースへの集客準備
  2. 展示会場での集客・運営
  3. 見込顧客フォロー
  4. 有望見込顧客抽出
  5. クロージング

 

この 5 つのステップを確立し、PDCA サイクルを積み重ねていくことにより、展示会出展を中心とした集客をより強化していくことが必要です。


ホームページと聞いて「ホームページ制作・ホームページ更新にまた予算が必要になるのか」と思った方も多いと思います。ご安心ください。大幅な予算を必要としない、情報提供ツールとして最適で効果的なツールがあるのです。すぐに売上につながるかどうかもわからない、「優先度の低い見込顧客へのフォローアップ」に大きな予算が必要になってしまう、ただでさえ忙しいのに仕事が増えてしまうのでは、特に営業予算・営業資源に余裕のない中小企業さまは、なかなかそこまで手がまわらないと思います。そのような企業様にも比較的手軽にフォローアップを始められる方法があります。

詳しくは、次のページから説明する「コミュニケーションプラン」をご覧ください。

 

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